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#004 【設定】瑞急唯一の廃線区間~尼崎港支線~

 

 こんばんは、晴凪です。

 短めのスパンでの更新となります。

 

 今回は、瑞急では唯一の廃線区間である「尼崎港支線」について紹介したいと思います。

 

 尼崎港支線は1928年の瑞原急行開業時に、運行開始した路線の一つです。現在の昆陽池線にあたる立花駅から単線の線路が南へ分岐する形で、途中駅の昭和通駅を経由し、尼崎駅へと向かう進路です。

 

 大阪湾と近い位置にあった尼崎駅は、瑞急尼崎工場を併設していたため、昆陽池車庫方面への車両輸送も多く行われていました。さらに、尼崎市内を南北に貫く線路が少なかったことから、日中毎時3本が通常運行されるなど、一定の利用者が居ました。

 

 しかし、1961年にその状況が一変します。

 

 現在の尼崎市駅にあたる庄下川駅周辺が、神戸方面への路線が開業する際にホームなどの増築が必要になり、高架化されたのです。これにより、運行形態に大きな変化が生じたことから、尼崎港支線は旅客営業を廃止することになりました。

 

 こうして、尼崎工場からの車両輸送(回送)のみの運行となったのです。

 

 時代は高度経済成長期。さらに追い打ちをかけたのは、まだ地上を走っていた尼崎港支線に対する高架化運動でした。しかし、明石~庄下川(現・尼崎市)間の路線を開業させたばかりであったため、瑞急は高架化への投資が出来ずにいました。

 

 長年、事実上の「廃線」となっていた尼崎港支線ですが、2020年7月に奈良線・田原線が開通する際、奈良線沿線に建設される「三碓車庫」内に「瑞急三碓工場」が新設されるため、尼崎港支線は同日に完全に廃止されることとなりました。

 

 実は、ルートこそは少し違いますが、この路線にはちょっとしたモデル路線があります。そう、JRの通称「尼崎港線」です。

 

 この尼崎港線は、現在のJR宝塚線塚口駅から南へ分岐し、金楽寺駅を経由して尼崎港駅へと向かう路線でした。瑞急尼崎港支線と同様に、新線開通に伴う運行形態の変更→盲腸線化→旅客営業終了→数十年後に貨物営業も終了→廃線、といった流れを経験しています。

 

 なお、瑞急本線の金楽寺駅は、JRの尼崎港線の金楽寺駅の乗り換え駅だったという裏設定もあり、この名称を採用しています。

 

 廃線や未成線は、非常にロマンがありますよね。

 何かドラマがあるのではないか、とワクワクします。