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#006 【雑談】架空鉄道での乗降客数の算出方法

 

 みなさん、こんばんは。

 晴凪です。

 

 今回のブログでは、架空鉄道での乗降客数の算出方法について検討していきます。

 瑞急はデータを豊富に用意していますが、運賃制度や運行ダイヤと並んで、私がかなりこだわっている箇所でもあります。

 

 まず、算出方法を出す際の方針には2通りあります。

 

 

 ①沿線人口の値を、現実と変えないパターン

 →このパターンは、競合路線が無い時に有効。競合路線がある場合は、その架空鉄道があることによって、実在鉄道の乗降客数にどのような影響があるか(具体的にはその実在鉄道の乗降客数も算出しなければならない)を考慮する必要があるので、結構大変。瑞急は競合路線が多いので、このパターンはあまり考えていません。

 

 ②実在鉄道の乗降客数を基準にするパターン

 →このパターンは、競合路線がある時に有効。その競合路線との運賃や所要時間・停車駅などを参考にして、競合駅間で多い・少ないを調整します。この場合、実在鉄道の乗降客数をあまり気にしなくて済むので、作業としては楽になります。瑞急は、このパターンを採用している路線が多いです。

 

 

 では、②を基準にして瑞急「神戸三宮駅」の乗降客数を求めていきます。

 神戸三宮駅は、阪急・阪神・JRなどと競合する区間に位置する駅です。

 

 ここで、数値を検討していくにあたって、第一に必要な作業があります。

 それは、実在鉄道の乗降客数を調べておくことです。

 

 その際に「乗降客数」「乗車客数」や「通年平均」「特定日調査」などの聞き慣れないワードも現れますので、簡単に解説します。

 

 

 ☆乗車客数

 各駅で販売された乗車券や定期の利用分をもとに集計。

 フリー切符などによる乗車は反映されない。(いわゆる「秘境駅」)

 

 ☆乗降客数

 端的にいえば、乗車客数と降車客数の合計。

 多くの場合は乗車客数を2倍すると、乗降客数の値に近い数字になる。

 一方で、直通運転を行っていたり、複数路線が乗り入れていたりすると、この2倍公式は成立しないことが多いので、注意が必要。

 

 

 ☆通年平均

 1年間全ての日(平日・土休日関係なく)の値を年間日数で割った値。

 個人的に、最も信頼度が高い数字。

 

 ☆特定日調査

 適当な1日をピックアップして、その日の値をそのまま集計するイメージ。

 定期利用が多い駅は平日の利用者数が多く、観光利用が多い駅なら休日の利用者数が増える印象がある。なので、この特定日調査の場合は「平日」か「休日」を強く意識してみるとよいでしょう。

 

 

 このように、利用者数の表現方法はたくさん存在します。

 したがって、各社の発表形式には微妙な差異があります。

 では、その形式の差異をどう統一するのか。

 

 おすすめは、都道府県や市町村などが出している「統計書」です。

 1年に1回程度発表されている統計で、同じ形式での数値が示されているので、比較が大変しやすいのが特徴です

 

 

 例えば、先ほどの神戸三宮駅近辺の駅だと、以下の数値になります。

(数値引用:「神戸市統計書」令和元年版、乗降客数は平成30年度)

 

○阪急 神戸三宮駅

乗車 22,812,000/365=62,498

 

○神戸高速 神戸三宮駅

乗車 *2,758,000/365=7,556 計70,054

 

○阪神 神戸三宮駅

乗車 20,795,000/365=56,972

 

○JR 三ノ宮駅

乗車 45,595,000/365=124,917

 

○地下鉄西神・山手線 三宮駅

乗車 22,499,000/365=61,641

 

 

 この統計には複数のデータが掲載されていましたが、平成30年度1年分の合計の「乗車客数」が1番適しているだろうと思い、単純に日数の365で割って、通年平均を算出した形になります。

 

 なお、阪急と神戸高速は神戸三宮駅を介して直通運転を行っているため、合算した数値も算出しました。

 

 次に、大まかな競合各社内での順位を検討していきます。

 実在鉄道では、日中に毎時8本の優等・8本の普通が停車するJR三ノ宮駅は別格として、概ね瑞急は2番手争いだろうとの判断で、JR>>瑞急>阪急>阪神と位置付けました。この順位付けは、ある程度ざっくりで良いかと思います。有効本数の多さや、ターミナル駅(大阪梅田など)への所要時間や運賃などを参考にするとよいでしょう。

 

 そして、インバウンドなどの観光需要や近隣の開発状況、さらにはその架空鉄道が存在する世界での設定変更(今回の場合なら地下鉄西神・山手線)を加味して、先ほど決めた順位付けを利用しながら、乗車客数を定めていきます。

 

 都市部を走る路線なら、十の位と一の位はフィーリングでも大丈夫です。

 その分、それ以外の桁の数値をこだわりましょう

 

 そして、算出した数字が以下の通りになります。

 

●瑞急 神戸三宮駅

乗車 76,000くらい

 

 最後に、今出した値(乗車客数)を2倍します。

 この年だと、乗降客数は大体152,000人くらいになりそうです。

 

 

 もし、余裕がある方は、検算もしてみましょう。

 その駅に停車する列車の本数×その両数の1時間ごとの合計(平日の昼間ダイヤで良いと思います)が、先ほど確認した順位付けと近いものになれば、より良いでしょう。

 

 現実に実在する鉄道は、長年の歴史をもって現在のダイヤを組まれています。その分、かなり精度の高いデータが得られるはずです。

 

 

 先ほどの神戸三宮駅を基準とすると、

 

 ①JR・・・136両(乗車客数:124,917人)

 新快速(毎時4本×12両)+快速(毎時4本×8両)

 普通(毎時8本×7両)

 

 ②瑞急・・・102両(乗車客数:76,000人くらい)

 特急(毎時3本×8両+毎時3本×10両)

 普通(毎時6本×8両) 

 

 ③阪急・・・96両(乗車客数:70,054人)※神戸高速含む

 特急(毎時6本×8両)

 普通(毎時6本×8両)

 

 ④阪神・・・78両(乗車客数:56,972人)

 特急(毎時6本×6両)+快速急行(毎時3本×6両)

 普通(毎時6本×4両)

 

 

 どうでしょうか。

 両数と乗車客数の関係が、上手く比例していそうですね。

 

 参考になるかは分かりませんが、是非とも乗降客数を算出する際にはたくさんのデータを調べて、検討してみましょう!