みなさん、こんばんは。
晴凪です。
今回のブログでは、架空鉄道での乗降客数の算出方法について検討していきます。
瑞急はデータを豊富に用意していますが、運賃制度や運行ダイヤと並んで、私がかなりこだわっている箇所でもあります。
まず、算出方法を出す際の方針には2通りあります。
①沿線人口の値を、現実と変えないパターン
→このパターンは、競合路線が無い時に有効。競合路線がある場合は、その架空鉄道があることによって、実在鉄道の乗降客数にどのような影響があるか(具体的にはその実在鉄道の乗降客数も算出しなければならない)を考慮する必要があるので、結構大変。瑞急は競合路線が多いので、このパターンはあまり考えていません。
②実在鉄道の乗降客数を基準にするパターン
→このパターンは、競合路線がある時に有効。その競合路線との運賃や所要時間・停車駅などを参考にして、競合駅間で多い・少ないを調整します。この場合、実在鉄道の乗降客数をあまり気にしなくて済むので、作業としては楽になります。瑞急は、このパターンを採用している路線が多いです。
では、②を基準にして瑞急「神戸三宮駅」の乗降客数を求めていきます。
神戸三宮駅は、阪急・阪神・JRなどと競合する区間に位置する駅です。
ここで、数値を検討していくにあたって、第一に必要な作業があります。
それは、実在鉄道の乗降客数を調べておくことです。
その際に「乗降客数」「乗車客数」や「通年平均」「特定日調査」などの聞き慣れないワードも現れますので、簡単に解説します。
☆乗車客数
各駅で販売された乗車券や定期の利用分をもとに集計。
フリー切符などによる乗車は反映されない。(いわゆる「秘境駅」)
☆乗降客数
端的にいえば、乗車客数と降車客数の合計。
多くの場合は乗車客数を2倍すると、乗降客数の値に近い数字になる。
一方で、直通運転を行っていたり、複数路線が乗り入れていたりすると、この2倍公式は成立しないことが多いので、注意が必要。
☆通年平均
1年間全ての日(平日・土休日関係なく)の値を年間日数で割った値。
個人的に、最も信頼度が高い数字。
☆特定日調査
適当な1日をピックアップして、その日の値をそのまま集計するイメージ。
定期利用が多い駅は平日の利用者数が多く、観光利用が多い駅なら休日の利用者数が増える印象がある。なので、この特定日調査の場合は「平日」か「休日」を強く意識してみるとよいでしょう。
このように、利用者数の表現方法はたくさん存在します。
したがって、各社の発表形式には微妙な差異があります。
では、その形式の差異をどう統一するのか。
おすすめは、都道府県や市町村などが出している「統計書」です。
1年に1回程度発表されている統計で、同じ形式での数値が示されているので、比較が大変しやすいのが特徴です。
例えば、先ほどの神戸三宮駅近辺の駅だと、以下の数値になります。
(数値引用:「神戸市統計書」令和元年版、乗降客数は平成30年度)
○阪急 神戸三宮駅
乗車 22,812,000/365=62,498
○神戸高速 神戸三宮駅
乗車 *2,758,000/365=7,556 計70,054
○阪神 神戸三宮駅
乗車 20,795,000/365=56,972
○JR 三ノ宮駅
乗車 45,595,000/365=124,917
○地下鉄西神・山手線 三宮駅
乗車 22,499,000/365=61,641
この統計には複数のデータが掲載されていましたが、平成30年度1年分の合計の「乗車客数」が1番適しているだろうと思い、単純に日数の365で割って、通年平均を算出した形になります。
なお、阪急と神戸高速は神戸三宮駅を介して直通運転を行っているため、合算した数値も算出しました。
次に、大まかな競合各社内での順位を検討していきます。
実在鉄道では、日中に毎時8本の優等・8本の普通が停車するJR三ノ宮駅は別格として、概ね瑞急は2番手争いだろうとの判断で、JR>>瑞急>阪急>阪神と位置付けました。この順位付けは、ある程度ざっくりで良いかと思います。有効本数の多さや、ターミナル駅(大阪梅田など)への所要時間や運賃などを参考にするとよいでしょう。
そして、インバウンドなどの観光需要や近隣の開発状況、さらにはその架空鉄道が存在する世界での設定変更(今回の場合なら地下鉄西神・山手線)を加味して、先ほど決めた順位付けを利用しながら、乗車客数を定めていきます。
都市部を走る路線なら、十の位と一の位はフィーリングでも大丈夫です。
その分、それ以外の桁の数値をこだわりましょう。
そして、算出した数字が以下の通りになります。
●瑞急 神戸三宮駅
乗車 76,000くらい
最後に、今出した値(乗車客数)を2倍します。
この年だと、乗降客数は大体152,000人くらいになりそうです。
もし、余裕がある方は、検算もしてみましょう。
その駅に停車する列車の本数×その両数の1時間ごとの合計(平日の昼間ダイヤで良いと思います)が、先ほど確認した順位付けと近いものになれば、より良いでしょう。
現実に実在する鉄道は、長年の歴史をもって現在のダイヤを組まれています。その分、かなり精度の高いデータが得られるはずです。
先ほどの神戸三宮駅を基準とすると、
①JR・・・136両(乗車客数:124,917人)
新快速(毎時4本×12両)+快速(毎時4本×8両)
普通(毎時8本×7両)
②瑞急・・・102両(乗車客数:76,000人くらい)
特急(毎時3本×8両+毎時3本×10両)
普通(毎時6本×8両)
③阪急・・・96両(乗車客数:70,054人)※神戸高速含む
特急(毎時6本×8両)
普通(毎時6本×8両)
④阪神・・・78両(乗車客数:56,972人)
特急(毎時6本×6両)+快速急行(毎時3本×6両)
普通(毎時6本×4両)
どうでしょうか。
両数と乗車客数の関係が、上手く比例していそうですね。
参考になるかは分かりませんが、是非とも乗降客数を算出する際にはたくさんのデータを調べて、検討してみましょう!